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スティーヴン・キングとディーン・クーンツ
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 アメリカの田舎町。丘の上に建つ不気味な洋館に正体不明の何者かが引っ越してきてから、町の様子が少しずつ変わり始めた。
人々の顔からは生気が消え、まともな者は夜には出歩かなくなっていく。この町の出身者である作家のベン・ミアーズはやがてその正体不明の男が吸血鬼であると気付く。恋人のスーザンも吸血鬼の魔の手にかかったと知った彼は、わずかな味方とともに吸血鬼退治を始める・・・。




 「吸血鬼もの」の王道をいくお話で、「聖水」が怖い、「十字架」が怖い、「ニンニク」が苦手という吸血鬼でした。そして、吸血鬼の設定の中で私が一番好きなのが、「その家の者に招かれないと吸血鬼は決してその家には入れない」です。なんとなく、律儀というか。
そして、主人公は自由に動ける職業、想像力が豊かでそれが武器ともなる作家。丘の上の洋館で幼い頃に体験したことがいまだにトラウマとなっているがために、恐怖を打ち負かすために戻った町で、吸血鬼騒動に巻き込まれて、生涯この町を破滅に導いた吸血鬼狩りを宿命とする人。


 途中で、人間側の生き残りである、12歳の少年、マークも行動をともにするのですが、これがいい!!!なんつーか、こう・・・おっさんと少年の組み合わせが・・・何かいい!!いいよ!!

ネタバレぎりぎりなのですが・・・。ラストで吸血鬼狩りのためにこの町に戻った主人公と少年の会話。
ベン「彼らには彼らの隠れ家がある。それを取り上げることができるし、   彼らの多くは滅びる。だが、全部は死なない。」
マーク「わかるよ」
ベン 「そして、二人で残っている奴らを見つけ出して狩らなければいけ    ない。冬までには終わるだろうが、いつまでたっても終わらない    かもしれない。それは不愉快で危険なことだ」
マーク「僕もそう思う」
ベン 「今夜、隠れ家を焼き払う。そして、明日は・・・・・」
マーク「あなたと、僕で・・・」


・・・・少年の、決意が見て取れますか?!このセリフで。吸血鬼退治は決してかっこいいだけの行為ではなくて、目をそむけたくなるようなものである、昨日までの知人の心臓に杭をうちこんで(あるいは首を切り落として)確実に命を奪わなければならない。杭を打ち込んだ時の反応、反射でカッ!と見開かれた目、自分を見つめる魔性の目と、呪いの言葉を発する口や、悪鬼の形相で襲いかかってくる奴らと対峙する恐怖。
それをたった12歳で背負ってしまった少年なわけですよ・・・。
でも、ベン一人では限界がある・・・だから少年も覚悟を決めたわけですよ。

この、ラストのセリフでどかん!とやられてしまった深海さんでした。





「呪われた町」上下巻 集英社文庫
 
 スティーヴン・キング

 訳者 永井淳
 

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