スティーヴン・キングとディーン・クーンツ
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「二年前、その頃から僕の頭はおかしくなりはじめた・・・」
ハイスクールの最上級生の主人公チャーリーは、春のある日教室で二人の教師を射殺。その後クラスメート全員を人質に立てこもりが続き、警官隊に包囲されながらクラスメートと会話する。そして、彼らの中に何かが芽生え始めて・・・。
たった4時間の出来事を綴った作品で、当時はリチャード・バックマン名義で発表したもの。
クラスメートを人質にはしたものの、チャーリーは決して声を荒げることなく、級友たちと静かに「ホームルーム」を続ける。むしろ、じたばた慌てていたのは外にいる大人達で、その間もホームルームを通してチャーリー達にはある奇妙な気持ちが生まれていく。
決して大人には理解できない心のひずみを抱えている彼らには、チャーリーとの不思議ともいえる会話が必要不可欠だったような気がする。
これ、実はキングが高校を卒業する前1966年に書き始められたもので、途中で未完のままだったものを5年後に書き上げられ、その後も改稿を加えられて1977年にようやく発表される。10年ですか・・・。長い・・・。
「ハイスクール・パニック」 リチャード・バックマン
スティーヴン・キング
扶桑社ミステリー 飛田野裕子 訳
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アメリカの田舎町。丘の上に建つ不気味な洋館に正体不明の何者かが引っ越してきてから、町の様子が少しずつ変わり始めた。
人々の顔からは生気が消え、まともな者は夜には出歩かなくなっていく。この町の出身者である作家のベン・ミアーズはやがてその正体不明の男が吸血鬼であると気付く。恋人のスーザンも吸血鬼の魔の手にかかったと知った彼は、わずかな味方とともに吸血鬼退治を始める・・・。
「吸血鬼もの」の王道をいくお話で、「聖水」が怖い、「十字架」が怖い、「ニンニク」が苦手という吸血鬼でした。そして、吸血鬼の設定の中で私が一番好きなのが、「その家の者に招かれないと吸血鬼は決してその家には入れない」です。なんとなく、律儀というか。
そして、主人公は自由に動ける職業、想像力が豊かでそれが武器ともなる作家。丘の上の洋館で幼い頃に体験したことがいまだにトラウマとなっているがために、恐怖を打ち負かすために戻った町で、吸血鬼騒動に巻き込まれて、生涯この町を破滅に導いた吸血鬼狩りを宿命とする人。
途中で、人間側の生き残りである、12歳の少年、マークも行動をともにするのですが、これがいい!!!なんつーか、こう・・・おっさんと少年の組み合わせが・・・何かいい!!いいよ!!
ネタバレぎりぎりなのですが・・・。ラストで吸血鬼狩りのためにこの町に戻った主人公と少年の会話。
ベン「彼らには彼らの隠れ家がある。それを取り上げることができるし、 彼らの多くは滅びる。だが、全部は死なない。」
マーク「わかるよ」
ベン 「そして、二人で残っている奴らを見つけ出して狩らなければいけ ない。冬までには終わるだろうが、いつまでたっても終わらない かもしれない。それは不愉快で危険なことだ」
マーク「僕もそう思う」
ベン 「今夜、隠れ家を焼き払う。そして、明日は・・・・・」
マーク「あなたと、僕で・・・」
・・・・少年の、決意が見て取れますか?!このセリフで。吸血鬼退治は決してかっこいいだけの行為ではなくて、目をそむけたくなるようなものである、昨日までの知人の心臓に杭をうちこんで(あるいは首を切り落として)確実に命を奪わなければならない。杭を打ち込んだ時の反応、反射でカッ!と見開かれた目、自分を見つめる魔性の目と、呪いの言葉を発する口や、悪鬼の形相で襲いかかってくる奴らと対峙する恐怖。
それをたった12歳で背負ってしまった少年なわけですよ・・・。
でも、ベン一人では限界がある・・・だから少年も覚悟を決めたわけですよ。
この、ラストのセリフでどかん!とやられてしまった深海さんでした。
「呪われた町」上下巻 集英社文庫
スティーヴン・キング
訳者 永井淳
幼い頃に劣悪な環境で育ったチャイナは、大学に入っても他人とうまくなじめずにいた。そんな中で唯一とも言える親友、ローラの実家に遊びに行くことになり、小旅行を楽しんだ二人だったが、ローラ宅に泊まったその夜。何者かが侵入し、ローラの家族を殺害し、ローラを拉致しようとする現場を目撃してしまう。
運良く、犯人に見つかっていないチャイナは、犯人の乗ってきたトレーラーに乗り込んで何とかローラを助けようとするが、「逃げて」という言葉を残して彼女はこときれてしまう。
隙を見て逃げるつもりだったが、犯人が話した内容から、犯人の家に少女が監禁されていることを知り、見ず知らずの少女を救うことを決意する・・・。
原作は残念なことに「超訳」のアカデミー出版だったので、本当に原作ではそういう言葉や文章を使って書かれていたのかが疑問なのですが・・・。現に、主人公の名前は「チーナ」になっていたのです。が、クーンツのファンである作家の瀬名氏が書かれていましたが、「チャイナ」が正しいそうなので、こちらでの説明もチャイナにしてあります。
この作品は海外でテレビドラマ(2時間強の2回放送ドラマだったらしい)にしかなってないんですけど・・・。運良くBSあたりで放送してくれたのを友人に頼んで録画してもらったものです。
原作に沿って作られてますが、一部、映像しやすいように変えてある所もありました。原作では鹿が出る所を狼にしていたり。
何にせよ、チャイナ役も、少女役も美人・美少女で良かったです!
個人的には犯人役もナカナカいい男だったので(笑)見ていて楽しかったです。犯人が殺害する人数も多いんですが、死体がちらりと映ってたりしますが、ホラー物を見慣れていたらあまり気になる程度では無かったです。確か、この作品もドラマ化の際にクーンツ氏が入っているとか聞いた覚えがあります。
DVD出して欲しいなあ・・・。
「ここには悪魔が棲んでいる」
ネバダ州の荒れ果てた田舎町、「絶望」を意味するその町の名はデスペレーション。この町の住人をことごとく殺害し、町を訪れた人間を捕らえて監禁する保安官。
囚人となった人々の中に、神の声を聞くことができる少年がいた。
少年を中心に、捕らえられた一行は保安官との戦いに挑む。
原作に沿った作りになってます。それもそのはず。キングご本人が製作総指揮、脚本も手がけたんだから。
描きたい部分をきっちり描いているあたりが、原作者が関わることの良いところだと思うので、これからもどんどん関わってほしいものです。
「スティーヴンキングのデスペレーション」
発売元 ワーナー
本編 131分 片面2層ディスク 日本語吹き替え有り
脚本・制作総指揮 スティーヴンキング
監督 ミック・ギャリス
大好きな二人の作家、スティーヴン・キングとディーン・クーンツのことを色々書いていきたいなあと思います。
小説だけでなく、映画化作品も多々あるお二人、短編、長編の数々を自分の好き勝手に書いて、一人満足できたら本望です。
小説だけでなく、映画化作品も多々あるお二人、短編、長編の数々を自分の好き勝手に書いて、一人満足できたら本望です。
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