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スティーヴン・キングとディーン・クーンツ
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 トラヴィスはハイキングに出かけた山の中で一匹のゴールデンレトリバーと出会う。犬はトラヴィスの行く手をふさいで森の中へと入らせないようにしている。いぶかしんでいると森の暗がりを何かが移動してきている音が・・・。犬とともに難を逃れてから、彼は犬を飼う事に。
そして、この犬に隠された驚くべき秘密につきあたる。

 遺伝子組み換えによって作り出された天才犬、それがこのレトリバーだったのだ。トラヴィスは犬が何かから逃げ出してきたことを知り、犬を護る事を決意する。
研究所で生み出されたもう一匹、それは犬にもなれずに異形のものとして「アウトサイダー」と名付けられて、レトリバーに憎しみを抱いて追跡してきていた・・・。



 クーンツの作品の絶頂期の作品で、これを一番最初に読んだために首までどっぷりとクーンツファンになってしまった次第。
犬が人間よりも賢くて、それでいて犬の形のままで愛されて、トラヴィスとの愛情につながれて・・・泣きたくなるくらいいじらしい一面もあって・・・。最高。
 悪役として出てくるアウトサイダーにも、ただ単に憎まれる悪役としてのキャラ作りではなくて、生い立ちの悲惨さ、生まれ出ることになった不運や「完全体」としてのレトリバーへの劣等感や憎しみが描かれています。異形で醜い自分を嫌って鏡を割ったり、可愛らしいキャラクターであるミッキーマウスの絵を大事にしていたり・・・。人が生み出した「悪意」を体現しているアウトサイダーが哀れで心が痛みます。


 是非とも読んでいただきたい作品です。泣くよ。



「ウォッチャーズ」 

 文春文庫 上下巻


 松本剛史 訳
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